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令和5年3月28日付法務省民二第538号通達(「年月日特定財産承継遺言」の活用)について

遺言に基づく相続登記をする上でどうやって進めていったらいいか分からない案件がありましたが、タイトルの通達(538号通達)をここで使うのか!と思った案件があるのでご紹介。

【事例】

・被相続人Xは甲土地、乙土地及び甲土地と乙土地の前面道路持分として丙土地持分2分の1を所有していた。

・Xは「甲土地をAに、乙土地をBに、丙土地をA・Bそれぞれに持分2分の1ずつ(すなわち持分4分の1ずつ)相続させる」旨(Xの相続人はA・B・C)の公正証書遺言を作成した。

・当該遺言には「遺言執行者を行政書士Dとする」旨の遺言執行者を定める規定が存在したが、DはXよりも先に死亡した。

・当該遺言書作成日は平成31年7月1日よりも前である。(すなわち平成30年民法改正よりも前)

・相続開始日は平成31年7月1日以降(すなわち平成30年民法改正施行後)

・AとBは仲が悪い。

・Aは甲土地と丙土地持分の相続登記経由後、売却したいと考えている。

上記事案において、丙土地の持分の一部(4分の1)をA名義としたい場合、これまで(538号通達前)は持分一部移転を相続を原因としてすることができず、おそらく遺言執行者の選任申立を家裁にして進めていくのかな?と思っていました。(改正前の遺言に基づくので、遺言執行者の権限が顕在化するか否かは別途問題となりますが、遺言の実現が妨げられているので、おそらく積極かなと・・・。)

しかし、538号通達により以下のように登記を実現できそうです。

1件目 ○○持分全部移転

年月日(Xの死亡日)相続

相続人 持分6分の1A(申請人) 持分6分の1B 持分6分の1C

2件目 〇番持分全部移転(所有権?)更正(←ここは自信ないです(笑)。

年月日(遺言の効力が生じた日=Xの死亡日)特定財産承継遺言

更正後の事項 持分4分の1A 持分4分の1B

登記権利者 A(申請人) B

登記義務者 C

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